貧血とは、血液中の赤血球の数、ヘモグロビンの量が少ない状態のことを指します。ヘモグロビンは肺でのガス交換によってたくさんの酸素を受け取り、血液循環によって全身に巡り、体の細胞の隅々まで酸素を届けます。ヘモグロビンの少ない貧血状態では、この機能がうまく働かず、初期症状としてなんとなくだるい、疲れやすいなどの身体症状が現れます。さらに貧血が進行すると動悸、息切れ、めまい、頭痛、下肢の浮腫などが現れます。全身の血液量が減ると、重要臓器へ血液が優先的に送られるので、末梢の血液量は減り、眼瞼結膜や口腔粘膜、爪の色調が白っぽくなります。また、貧血の原因によっては爪が沿ったり、黄疸がでたりなどの特徴的な症状が現れます。
貧血となる原因としては、大きく3種類に分けられます。
①赤血球の材料となる栄養素やホルモンの不足による赤血球の産生量の不足
②出血による失血(血液量の減少)
③赤血球の破壊
一方、アーユルヴェーダでは、様々な原因によりドーシャと呼ばれる生理機能のバランスが大きく乱れることによって、特に良い血液を作るための力が落ち込むことが貧血の大きな病因となると考えます。血液は体全体に栄養を運ぶための体液ですから、これが汚れると、全身に支障をきたし、感覚器官まできちんと働けなくなります。よって、めまいや耳鳴りなどが起こります。また皮膚の色も、粘土のように覇気のない色になってくるといいます。
質の良い血液を作るには、食事の内容に気を配ることのほか、食べたものをしっかり血や肉、骨に変えられるよう「消化力」を上げることが大切です。身体の外側からオイルによって身体を滋養させることも効果的です。
貧血にはいろいろなタイプがありますので、原因と症状をきちんと照らし合わせて診断することが欠かせません。改善が見られないときは、専門機関を受診してください。
●生活では…
花やお香の良い香りを嗅ぐ
優しい音楽やきれいな景色を楽しむ
月光浴
●生活の上で避けること
昼寝(どうしても眠い時は座った状態で休む)
怒ること
疲れすぎること
直射日光に当たりすぎること
●食事では…
食事はよく噛んでたべる
寝る2~3時間前までに食事を終える(満腹のまま就寝しない)
前の食事が消化されてから(空腹を感じてから)次の食事を食べる
酸味と牛乳を一緒に摂らない
鉄鍋で調理する
【食べたほうが良いもの】
ビーツ・にんじん・アスパラガス・ニンニク・ショウガ・鶏肉・レバー・牛乳・
ギー・古米・緑豆・高野豆腐・黒ごま・ザクロ・ブドウ・レーズン・デーツ・
アロエ・肉のスープ・野菜スープ
【スパイス】サフラン・ターメリック・コリアンダー・クローブ・クミン・
黒コショウ・シナモン
【避けたほうが良いもの】
キムチ・ヨーグルト・チーズ・激辛食品・揚げ物全般・発酵食品・コーヒー・
アルコール・酸味の強いもの
※以上のようなことが一般的に貧血の改善に勧められるセルフケアですが、
体質(プラクリティ)や原因によって異なってくる部分もありますので、
個々人に合わせた生活処方が大切になってきます。
(自由診療・税込価格)
・アビヤンガ(全身のオイルマッサージ)発汗法付 ¥19,800.- (税込み)
定期的に受けることで身体に滋養を与え、代謝をよくします。
・マートラバスティ(薬用オイルによる浣腸法)¥8,855.- (税込み)
定期的に受けることで体に滋養を与えます。
・パンチャカルマ:
バスティ(浣腸療法):冷えや疲労などのヴァータを鎮静させる目的で行う経腸療法
ヴィレーチャナ(催下療法):血液の質を良くする目的で行う下剤療法
※いずれも連続で行う浄化療法です。アーユルヴェーダ医が適応と判断した場合
のみ行いますので、パンチャカルマ相談(1時間)を受けていただく必要が
あります。